石炭の運用スケジュール作成は、経験やノウハウのある数名の熟練技術者に委ねざるをえず、属人化していました。
人手でのスケジュールの最適化には限界があり、改善の余地があると感じていました。
従来よりも複雑で細かな優れたスケジュールの作成を短時間で自動作成することを可能にしました。
人手でのスケジュールよりも最適化が進み、コストを抑えたスケジュールを作成することができました。
石炭火力発電所では、輸送船から受け入れた石炭をサイロ(※1)で一旦貯蔵した後、ボイラで燃焼していますが、石炭の種類によって混載や混焼ができない等の制約があります。そのため、熟練技術者が長年の経験やノウハウに基づいてそれらの制約を考慮しながら複数のサイロ、ボイラを運用するスケジュールを作成し、状況変化に応じて都度見直しながら運用していました。
※1:サイロ:石炭船から受入れた石炭を貯蔵する設備
ALGO ARTIS(※2)が構築したアルゴリズムを用い、関西電力が設定した課題や運用条件に基づいて、スケジュール作成を最適化するシステムを作成。輸送船からボイラまでの過程や、混載・混焼の条件など、運用スケジュールの作成に必要な様々な考慮事項をモデル化し、数理最適化の手法を用いて従来よりも複雑で細かなスケジュール作成を可能にしました。また、このシステムを使用することで、熟練技術者以外にも運用スケジュールの作成、比較検討が行えるようになりました。
※2 2021 年 7 月に DeNA より当該事業を譲渡
極めて複雑な条件のため、運用パターンは膨大なものに。その中から優れたスケジュールを効率よく見つけ出す必要があります。そこで、一般的に将棋などのゲームをプレイするAIに用いられる探索技術を導入。この問題を解決し、短時間で優れたスケジュールを自動作成することを可能にしました。
資料提供:関西電力株式会社
※ 本記事は、DeNA×AI に掲載された記事を ALGO ARTIS への事業譲渡に伴い移植したものです。